棟上 経験を必要とする通柱など重要な柱をくみ上げる
●通柱を立て棟上げまで
現場に運び込まれた材木をクレーン車を使い組み上げを始める。前のぺージにあったように土台の上に通柱(とおしはしら)から組み始める。
右の写真は、水平垂直の基準を決める柱と水準器。全ての「通柱」に水準器をあてて確認します。必要ならば必要な柱全てに繰り返します。
土台はアンカーボルトによってしっかりと基礎と一体となっているのが確認できます。
※上の写真はほぞに嵌め込まれた柱、臍(ほぞ)はまだ完全に打ち込まれてはいない。絞めていく作業は棟梁の経験が決めて打ち込まれます。
※クレーンによってつり下げられた木材を手際よく組み上げていく大工たち。仮の筋交いを止めてゆく。
●仕口の楔を打つ
大きな木槌で嵌め込んでいくのは、見る分には壮観だが、打ち込みの順番は長年の経験が必要で、下手に組むと家全体の歪みにつながる。
軸組工法の日本家屋は、柱が基本となるので「壁を組み上げる工法」より多くの経験を必要とする。
●横木(棟木)
屋根(小屋づか)の一番高いところに横木(棟木)を載せると骨組みの完成となり、「棟上げ」または「上棟式」(建まえ)となります。今回、最上部の横木は、長年住まれた前の家の材木を使用している。今度の家も長く無事でありますようにとの祈りからである。
※上の写真は、二階に床を張るための床梁の溝を調節している。↑
朝早くから始めた「棟上げ」も日の落ちる夕方になり「お飾り」をつけて終了である。これからは紅白の垂れ幕を回した新しい家で「上棟式」(建まえ)である。昭和の終わり頃まで、棟上げを祝い屋根から紅白の餅(もち)などを捲き、争って近所の子供達が取ったものだが、そんな楽しい風景は廃れてしまった。
●在来木造軸組工法の家
写真で御覧のように当社では、丁寧な軸組構法で施行しています。阪神・淡路の地震の教訓から、建築基準法に決められている、横揺れを防ぐ筋交いの施工や火打ち土台、補強金具なども忠実に遵守しています。また、長年の蓄積された職人の技能から二重三重に堅牢で安全な家づくりを目指しています。
●施工主さんへの願い
家づくりは土台からと言われていますが、土台の施工から見に来られる施工主さんは少なくなりました。出来上がった家を買う事は造った建築業者を全面的に信用することです。
万が一不具合が出たときは土台から直すことは出来ません。大きな損失を被るのは購入された方なのです。当社ではそのことを理解して頂くために基礎造りから棟上げまでをご紹介いたしました。